日本演出者協会 東海ブロック
日本の近代戯曲研修セミナー in 東海 2016
歌舞伎と近代戯曲
〜青果と綺堂〜
文化庁委託事業「平成28年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」
日程:2017年1月27日(金)〜28日(土)
会場:名古屋市北文化小劇場
1月27日(金)15:00開演 [14:30開場]
「番町皿屋敷]演出 神谷尚吾
「頼朝の死」演出 岡田一彦
1月27日(金)19:00開演 [18:30開場]
「番町皿屋敷]演出 丸知亜矢
「頼朝の死」演出 かこまさつぐ
1月28日(土)11:00開演 [10:30開場]
「番町皿屋敷]演出 神谷尚吾
「頼朝の死」演出 かこまさつぐ
1月28日(土)16:00開演 [15:30開場]
★アフタートーク有
ゲスト:天野鎭雄(俳優、劇座代表)
「番町皿屋敷]演出 丸知亜矢
「頼朝の死」演出 岡田一彦
【日本の近代戯曲研修セミナー】とは
日本演出者協会が、新進芸術家育成事業のひとつとして文化庁より委託を受け、主に東京・名古屋・大阪において2009年から開催。日常ではあまり触れることのない近代戯曲の名作を、様々な形での研修やリーディング形式での上演を行い、演出に関わる者の勉強の機会として、また、広く紹介する場として実施。名古屋では8回目の開催となる今回は、《歌舞伎と近代戯曲》というテーマで二作品を選出、リーディング公演を開催します。
★プログラム詳細★
歌舞伎と近代戯曲 ~青果と綺堂~
いわゆる近代戯曲と呼ばれる戯曲の中には、歌舞伎(旧劇)のために執筆された作品が、多くあります。これらは「新歌舞伎」と言われ、明治後期から昭和初期にかけて、歌舞伎を上演する劇場とは直接関係を持たない作家たちによって書かれた作品を指します。草創期から明治に至る迄、歌舞伎の台本は、一座や劇場所属の作者たちがあくまでも特定の俳優のために書いていたものでした。人形浄瑠璃の近松門左衛門、江戸時代の鶴屋南北、明治に至る迄作品を発表し続けた河竹黙阿弥などは、そういった作者たちを代表する人々です。では、新歌舞伎の作者たちはどういう人か、と言うと、直接劇場とは関わりを持たない、翻訳家、小説家、ジヤーナリスト、学者などの経歴を持つ芝居好きな人々でした。彼等は、歌舞伎特有の荒唐無稽な筋書きから離れ、登場人物の人間性や心理に重点を置いたドラマとしての骨格をしっかりと持った戯曲を提供することに心血を注いだのです。この潮流が、西欧からその概念を輸入した「新劇」とともに、第二次大戦前の日本演劇に大きな影響をもたらし、その影響は、二十一世紀の今日にも及んでいることは、言う迄もありません。そうしたことを、朗読劇を通し、楽しみながら考えてみたいと思います。
●岡本綺堂 作「番町皿屋敷」
身分を越えた青年旗本と腰元の恋。家宝の皿を割ってまで男の愛を確かめた女の行く末は…。桜の名所江戸山王神社。花見に遊ぶ白柄組の旗本青山播磨は、町奴と喧嘩になるところを、来あわせた伯母真弓にとめられ「伯母樣は苦手じゃ」と苦笑い、「散る花にも風情があるのう」と行く春を惜しむ景色が、江戸の浪漫を色濃く漂わせる。播磨は腰元お菊と相愛の仲。が、播磨の縁談の噂に日々心を痛めるお菊は、割れば手討の家宝の皿を割って播磨の心を確かめようとする。過ちとしてお菊の罪を許す播磨だった。しかし、お菊がわざと皿を割った真相を知り、真心を疑われた無念さから、播磨はお菊を手討にし井戸に投げ込む。播磨の本心を知ったお菊は満足して死んでゆく。生涯一度の恋を失い、自暴自棄となった播磨は町奴との喧嘩に槍を手に屋敷を飛びだしていく。
27日(金)15:00開演、28日(土)11:00開演
■演出:神谷尚吾 ■出演:中田裕子
27日(金)19:00開演、28日(土)16:00開演
■演出:丸知亜矢
■出演:美咲友里、鹿子嶋寛子、鈴木ただし、久川德明(劇団翔航群)、みなみ津姉、丸知亜矢
●真山青果 作「頼朝の死」
父頼朝は何故死んだのか。真実を知りたいと悩む息子頼家に、母政子は、「家は末代、人は一世」と武門の定めを厳しく言い放つ。鎌倉法華堂では、前の将軍源頼朝の三回忌法要が行われている。だが、現将軍で頼朝の子である頼家(よりいえ)の姿はない。門の中から、顔を隠した若い女が、護衛の郎党に追い出されてくる。そこへ顔を覆面で隠した畠山重保(はたけやましげやす)が現れる。重保はなにか重大な秘密を抱えている様子。女は、実は御所に仕える小周防(こずおう)という少女で、頼朝の妻である尼御台(あまみだい、北条政子)から、頼朝を弔う卒塔婆を墓に供えるように命令されて来たのだった。重保は小周防をむりやり去らせたあと、地面に泣き崩れる。ちょうど2年前の深夜、頼朝は、女に変装して御所の塀を乗り越え、小周防のもとへ忍ばんとしていた。それを、警固をしていた重保が怪しんで、頼朝を斬り捨ててしまったのである。墓参をすませた小周防に重保は頼朝の死の真相を告げ、去って行く。何も知らず重保を慕っていた小周防はその場に泣き伏す。鎌倉石壺の御所。亡き父の寝所で現将軍の頼家が酒を飲んでいる。法要の席から畠山重保が駈け去ったことを聞いた頼家は、重保が父の死の真相を知っていると確信する。そこへ重保が出家したいと願いに来た。頼家はその理由を言えと責めたてる。たしなめる母に、頼家は「なぜ自分一人が秘密を知ることができないのか」と迫る。頼家は小周防を自分の側妾(そばめ)にしたいと告げる 頼家は小周防に父を失った自分の悲しさを語り、知っていることをどうしても聞かせてほしい、聞かせてくれればお前の恋を叶えてやるとかき口説く。苦悩する小周防を、重保は涙と共に斬り殺す。頼家は狂気のように重保を責めるが、尼御台は長刀をかまえ、源氏を守るためならば、たとえわが子でも、そのままにはおかぬと、断固たる決意を見せるのだった。
27日(金)15:00開演、28日(土)16:00開演
■演出:岡田一彦
■出演:岡田一彦(劇座)、岩田丈和(劇座)、かとう雅敏(劇座)、堀優子(劇座)、
尾藤涼和(劇座)、山下ゆり(劇座)
27日(金)19:00開演、28日(土)11:00開演
■演出:かこまさつぐ
■出演:かこまさつぐ(試験管ベビー)、加藤奈々(試験管ベビー)、
三芳一麻(試験管ベビー)、奥村将成(試験管ベビー)、佐川祐未(試験管ベビー)、
山田彩佳(試験管ベビー)、近藤 樹(試験管ベビー)
★チケット/会場★
★チケット★
■チケット料金(日時指定・全自由席)一般発売開始 2016年12月1日(木)
【各プログラム】
◉一般前売:1,800円
◉事業団友の会会員・障がい者等割引:1,500円
◉学生・65歳以上:1,500円
◉当日:2,000円
※当日券のお客様は入場を制限させていただく場合がございます。
【2プログラム同時購入割引】
◉前売のみ:1,250円×2
※各割引は前売のみ対象。
※2プログラム同時購入は異なる時間帯のチケットを同時購入する際に適用します。
■チケット取扱い
◉「日本の近代戯曲研修セミナー㏌東海2016」実行委員会
TEL予約(090)4195-0269
◉名古屋市北文化小劇場 TEL(052)910-3366
◉名古屋市文化振興事業団チケットガイド
TEL(052)249-9387(平日9:00~17:00/チケット郵送可)
★名古屋市文化振興事業団が管理運営する下記の施設窓口でも、お買い求めいただけます。
※文化小劇場(中村、南、西、熱田、天白、名東、守山、緑、東、千種、中川、港、昭和)
芸術創造センター、青少年文化センター(アートピア)、市民ギャラリー栄、
名古屋市演劇練習館(アクテノン)、東山荘、名古屋能楽堂
★会場★
【会場】名古屋市北文化小劇場
名古屋市北区志賀町4-60-31
TEL:052-910-3366
◎交通アクセス
★市営地下鉄名城線黒川駅下車 徒歩12分
★「黒川(北)」もしくは「黒川」より、市バス(幹栄1号系統、黒川11号系統、黒川12号系統)「北図書館」下車、東へ徒歩3分
■お問合せ:日本演出者協会東海ブロック TEL:080-4536-9570
【スタッフ】舞台監督:金子康雄、照明:花植厚美(flower-plant)、音響:後藤佳子、企画アドバイザー:菊本健郎
制作:齋藤敏明・みなみ津姉、広報・宣伝美術:みなみ津姉、WEB広報:小熊ヒデジ
【主催】「日本の近代戯曲研修セミナー in 東海 2016」実行委員会、文化庁、一般社団法人日本演出者協会
【共催】公益財団法人名古屋市文化振興事業団[北文化小劇場]
【協力】名古屋放送芸能家協議会